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第二十四話 空へ還る祈り、紡ぐ未来①

ผู้เขียน: 桜 こころ🌸
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-06 18:31:12

【二〇一八年 杏】

 あれから、二年ほどが経った頃のことだった。

 父が心筋梗塞で倒れ、亡くなった――そんな知らせが届いたのは。

 刑務所内での出来事だったそうだ。

 あっという間だった、と後から聞かされた。

 医師の話によれば、原因は心労やストレスが大きかったらしい。

 処置を施す間もなく、父は息を引き取ったそうだ。

 ……苦しむ時間が短かったのは、せめてもの救いだと思うべきなのか。

 それでも、涙は出なかった。

 ただ、胸の奥にぽっかりと穴が開いたような感覚だけがあった。

 あまりにも突然で、あまりにもあっけなく――父はこの世を去った。

 すぐに遺体を引き取り、葬儀が行われた。

 喪主は私。

 まだ十八歳の私には荷が重すぎる役目だったが、施設の人たちが手伝ってくれたおかげで、何とか務めを果たせた。

 隣にいた新は、ずっと泣いていた。

 きっと、これが本来の子どもの姿なのだろう。

 だけど、私は泣けなかった。

 それは自分でも理由がよくわからなかった。

 もしかしたら、もうとっくに泣きすぎて、涙が枯れてしまっていたのかもしれない。

 それに……どこかで「よかった」と思っている自分がいた。

 無期懲役。

 父は、あのままずっと牢獄の中で人生を終えなければならなかったはずだった。

 だから、こうして逝ってしまったことが、父にとって救いだったんじゃないか――そんな風に思ってしまった。

 もちろん、父がいなくなったことは寂しいし、悲しい。

 月に二度の面会は、どんなに遠くても必ず行った。

 父の顔を見られるだけで、ほっとした。

 生きてさえいてくれれば、それでいい――そう思っていたのに。

 でも、いざ「亡くなった」と聞かされた時、私は、ほんの少しだけ安堵してしまったんだ。

 なんて、薄情な奴だと思われるかもしれない。

 最低だって、自分でも思う。
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ความคิดเห็น (1)
goodnovel comment avatar
憮然野郎
本当は杏だって修司の兄と父親を恨みたいだろうに……。 杏も新くんも本当に可哀想ですね...
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